- 食事中に立ち歩く
- 食事中に体の向きがあちこちに変わってしまう
- 食べている最中にオモチャで遊ぶ
- 食べこぼしが多い
お子さんの食事がなかなか終わらずに困る事はありませんか?
食べる事に集中できず、「座って食べて」「前向いて食べて」と、何回注意してもなおらないと、イライラすることだってありますよね。
実は、ある簡単な工夫をすることで、座っていられる時間を長くし、よそ見しないで食べられるチャンスがあります。
そこで今回の記事では、食事中に食べ歩く、体の向きが変わりやすいお子さんが、どうして、そうなるのか、4つの理由と、集中して食べられるようになる効果的な4つアプローチを紹介します。
<この記事で分かること>
- 食事に集中しない4つの理由
- 食事の前にしておける工夫
- 食べ歩いたり、注意がそれた時にするアプローチ
お父さん・お母さん、先生方の子育ての困り感が少しでも減り、楽しく子育てをしてもらうことを目的にこのブログを続けています。
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✨自己紹介✨
- アサヒです。臨床心理士・公認心理師です
- 子育て中のお父さん・お母さんを心から尊敬しています
- 子育て相談&発達障害支援を現役で10年以上続けています
- 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています
- 教師・保育士・小児の作業療法士がいる子育て支援一家で生活してます
- 私自身、自閉&ADHDの2人の子どもを毎日子育てしています
- さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場で、現役で働いているので、心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを提案できます。
- お子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています
食事に集中しない理由
お子さんが食事に集中できないのには以下のような理由が考えられます。
- 一定の時間じっとしているのが苦手
- 前庭感覚への刺激が感じにくい
- 興味のあるものに反応してしまう
- 空腹ではない
それではそれぞれの理由について詳しく解説していきたいと思います。
1:一定の時間じっとしているのが苦手
→わざとふざけて、パパ・ママを困らせているわけではないのですが、お子さんの中には、動いていないと落ち着かないタイプのお子さんがいます。その場合、じっと座っているのが苦手、わざとではなくても立ち歩いてしまう場合があります。
2:前庭感覚への刺激が感じにくい
→前庭感覚とは、自分の体の傾きや、体のスピードの感覚を脳に伝えています。
例えば、エレベーターに乗っている時に、「今上がっているな」「降りてきたな」と感じ取れたり、ブランコでは揺れを、ジェットコースターではスピードを感じ取るための重要な感覚です。
→お子さんによって感じ方はさまざまでジェットコースターのスピードが怖いと感じるお子さんや、楽しいと感実お子さんもいます。
食事に集中できず、食べ歩いてしまうお子さんの場合、ジェットコースターのスピードが好きだったり、ブランコも激しい方が好きな、前庭感覚の刺激を感じにくいお子さんの場合が多いです。
→前庭感覚への刺激が感じにくい場合、脳がどうにかして、刺激を感じ取ろうとして、立ち歩いたり、座っていても体を前後左右に揺らして刺激を取り入れようとしています。
ですのでこの場合も、お子さんからすると決してふざけているのではなく、刺激を感じにくいために起きてしまっている行動なんです。
3:興味のあるものに反応している
→お子さんは目に入った物や動いたものに反応しやすいです。ですので、たまたま興味がある、テレビやオモチャが目に入ると、それに反応してしまって、食事から注意がそれてしまっている場合があります。
4:お腹がすでにいっぱい!?
→もともと小食だったり、日中の活動が少なかったり、おやつをいっぱい食べていたりすると、空腹じゃなかったり、お腹がいっぱいだったりして食事に集中できていない可能性もあります。
また、食事が遅くて困っているというお父さん・お母さんがいらっしゃいましたら、
別の記事で、【ストレス解消】食事が遅い子への効果的な3つの対応について、解説してありますので、ぜひあわせて読んでみて下さい。
食事に集中しやすくなる4つアプローチ
- 環境を整える
- トランポリンで前庭感覚を満たす
- 適宜お手伝いを入れて体を動かす
- 時間や目標を決める&予告しておく
1:食事に集中できる環境を調整する
事前にしておく工夫の一つに環境調整が挙げられます。その名の通り、食事に集中しやすい環境を整える事です。
お家の環境や、家族スタイルによってできる・できないはありますが、以下のような工夫で効果があったと感想をいただく事が多いので、参考にしてみて下さい。
- 食事中はテレビを消す・テレビを背にして座る
- オモチャが視界に入らないよう、壁が見える方に座る
- 遊ぶ部屋と食事の部屋を分ける
- 安定して座れるハイチェアやバランスチェアを利用する
- おやつの量を半分にして、食事が食べ終わったら、残りの半分をデザートでだす
- ササっと食べれる食事形態にする。
※足台のあるハイチェアや自然と姿勢の保持ができてしまうバランスチェアは、姿勢が崩れてしまうお子さんの場合にも有効です。どっしりと座れるので、立ち歩きが減って、集中しやすいお子さんも多いです。
※ササっと食べれる食事形態の例:食事をサンドイッチやおにぎりにする、一口サイズで食べれる大きさにする、スープも少ない量でだす等にすると、短い時間で食べ終える事ができますし、お子さんも「これぐらいならいけそう」と、集中しやすいです。
2:トランポリンで前庭感覚を満たす
→かなり効果があったとの感想をいただくのが、食事の前にトランポリンで思い切りジャンプをして遊ぶ事です。
実は、トランポリンでジャンプする事で、前庭感覚の刺激が満たされるので、刺激を求めて歩き回る、注意がそれる事が軽減されやすいんです。
3:適宜お手伝いを入れて体を動かす
→じっとしていられないのは、脳が刺激を求めている可能性があります。ですので、お手伝いという形で、定期的に動かしてあげる事も効果的です。
このように、正当な理由で体を動かしてあげると、怒る回数も減りますし、怒られる回数も減るので、親子で楽しく食事ができるかもしれません。
4:時間や目標を決める&予告しておく
→どうしてもイライラして怒ってしまう事が多い場合、怒るかわりに、決めた時間になったらごちそうさまでしたでもOKです。
大切なのは、お子さんが食事が楽しいと思える事だからです。ですので、時間になったらごちそうさまで、ささっと切り上げてしまいましょう。
- 実際にそうする事でいつまでもこなくてイライラする事が減りました。
- 残り5分とかになったら急にきて急に食べる終えるようになってみていて面白くて。
- 朝ごはんは時間でご馳走様なので、小食ですが、お昼は時間決めなくてもめっちゃ食べるんです。
等の感想を多くいただきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
食事に集中できない4つの理由として、
- 一定の時間じっとしているのが苦手
- 前庭感覚への刺激が感じにくい
- 興味のあるものに反応してしまう
- 空腹ではない
を挙げさせていただきました。普段から集中できない場合は、お子さんの様子を観察しつつ、テレビを観ていて刺激が入っていないか、おやつの量は多くないか等を確認してみて下さい。
家計と地球にやさしいお買い物「junijuni」
事前にできる簡単な工夫
- 環境を調整する
- トランポリンで思い切りジャンプする
を紹介しました。テレビやオモチャは食事よりも魅力的で、興味をそそるものです。お子さんが集中して食べられるようになるには、なるべく視界に魅力的なものは入らないようにしておくのは大切なポイントです。
直前で刺激を入れるならトランポリンがおススメです。バランス感覚も、上下の揺れの刺激も、スピードも感じられるからです。ただ歩き回るよりはずっと効果があるので、是非試してみて下さい。
集中しない時のアプローチ
お手伝いを食事中にお願いして、正当な理由で立ち歩けるようにしていただくと、本人も達成感が持てますし、パパ・ママもイライラせずに済みます。
どうしても、食事に集中しない場合は、ごちそうさまの予告をしてあげ、時間がきたらきりあげてしましましょう。
いずれのアプローチにしても、共有する一番重要なポイントは、頑張っていう事を聞いている時に褒めてあげる事です。
- 「少しでも長く座っていられるね」
- 「テレビ」
- 「よそ見せずにこぼさないね」
- 「約束の時間になる前に戻ってこれて偉いよ」
- 「お手伝いしてくれて助かるよ」
と褒めてあげましょう。お子さんも自信がもて、「もっと頑張ろう」という気持ちになります。そして、何より、お子さんの為に上記のアプローチを取り組もうと思ったご自分にもご褒美を挙げ、「私(俺)って子ども為によく頑張っているな」と褒めてあげて下さい。
お子さんの為に行動してくださるのはとても素晴らしいことです。
食事の事で親子関係が悪くなったり、食事がつまらなかったり、怒られて自信をなくしてしまうのは、お互いもったいないようにも思います。集中できない時は、言葉かけだけでなく、道具にも頼って、集中しやすい環境を整えてあげましょう。
じっとしているのが苦手だったり、興味のあるものに反応してしまうのも見方によっては長所になりえます。困っている友だちに気づけたり、気遣いができる優しいお子さんに育っていく子もとても多いので、是非お子さんの個性を伸ばしてあげましょう。
是非今回のアプローチの中から、お家のお子さんにあった方法を試していただき、楽しい食事が増えることを願っています。
最後まで読んで下さりありがとうございました。