- 「これ何?」「いつ終わる」「いつまで」等の質問が続く
- 前に答えた内容も、同じような場面になると質問する
- 毎回真面目に答えているのに、、、「分かっている?」と心配になる
お子さんが同じような内容の質問を繰り返す時に、どう対応されていますか?
最初は真剣に答えていたけど、毎回だから、「何回答えればいいの!?」「またその質問!?前に答えたじゃん!」とイライラしちゃうという相談もとても多いです。
良かれと思って質問に答えてあげていても、毎回毎回だとさすがに疲れちゃいますよね。
実はお子さんの繰り返す質問に答え続けているとかえって質問が悪化する場合があります。
そこで今回の記事では、
- 質問を繰り返すお子さんの3つの心理
- 気をつけたい2つの関わり
- その場でできる5つの対処法
- 質問を繰り返さなくなっていく2つコツ
以上の4つのポイントについて具体例を入れて細かく解説しました。
最後まで読んでいただくことで、どうして、質問を繰り返すのか、何に気をつけて、どう関われば良いのか、お子さんが質問を繰り返さない為のコツについてわかるようになります。
目の前のお子さんに合った方法を見つけられると思いますので、参考にしてみてください。
質問を繰り返すお子さんにどう対応したらよいかお悩みのお父さん・お母さんの少しでもお役に立てればと思っております。もし、いいなと思えたら、今回の記事をSNS等で広めていただけると嬉しいです。
- アサヒです。臨床心理士・公認心理師です。
- 子育て中のお父さん・お母さんを心から尊敬しています。
- 子育て相談&発達障害支援を10年間続けています。
- 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています。
- 教師・保育士・小児の作業療法士がいる子育て支援一家で生活してます。
- 私自身、2人の子どもを毎日マインドフルに子育てしています。
- さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場で、働いているので、心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを実践しています。
- お子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています。
質問を繰り返す3つの心理
1:不安・緊張が高くなる
- やり方が分からない
- どうしていつもと違うのか不安
- どうすればいいのか分からない
お子さんの不安や緊張が高まると、気持ちを落ち着かせる為に、質問を繰り返す場合があります。
2:状況が理解しにくい
どうして不安や緊張が強くなるのか?それには状況の理解の苦手さが関係しています。
- この後どうなるんだろう?
- いつまで続くんだろう?
- 本当に大丈夫?
- 途中で変更にならない?
→このように、状況の理解が難しいと、見通しが持てない事や、予測がつかないことに不安・緊張が強くなります。
3:こだわりの強さ
→さまざまな理由はありますが、その一つにこだわりがあります。
→お子さんによっては、自分がとても気になっていること、関心の強い事が気になり、それにとらわれ始めると、今自分がどんな状況なのか、周りの雰囲気を察せなくなり、質問せずにはいられなくなる場合があるからです。
こういった質問の多くは、周りを困らせたいからではありません。落ち着かせる為にしている事が多いです。
ですので、お子さんの気持ちを安定させると質問が減っていきます。
ポイント;気持ちを落ち着かせるために質問を繰り返している場合が多い
気をつけたい関わり
1:質問に答え続ける
①毎回答え続けるのは気をつけた方がよい場合があります
→「質問&答えというパターン」がこだわりとなり、質問に大人が答えてくれないと、泣いたり怒ったりといったパニックになる子もいるからです。
②基本的に、こうした質問は本人が気にしなくなるまで終わりがない
→気にしなくなるかは本人のさじ加減なので、質問に答えてもいつまでも続くことがあります。
→お父さん・お母さんの時間もお子さんの時間も無くなってしまい、お互いに疲弊してしまうことが多いです。
2:強い口調で繰り返し注意する
→強い口調は、お子さんは不安や緊張を感じる為、余計に落ち着かなくなったり、パニックをおこしやすくなるからです。
→また、「困っても相談してはいけないんだ」と思ってしまい、辛いことをため込むお子さんもいました。
ポイント:お子さんのどうして?に答えるより、お子さんが次に何をするのかを教えてあげた方が安心できる。
質問を繰り返している時の5つの対処法
1:質問していい時間を伝える・区切りをつける
- 質問あと三つで終わり
- ママお料理作りに行くから次の質問でおしまいね
このように予告をしてあげて、質問に区切りをつけることは大切です。
質問していい時間としてはいけない時間の区切りが付けられる様になるからです。
ものを実際に見せながら次の活動に促す
→質問に区切りをつけた際に効果的なのは、予告と同時に今やっている活動や次の活動を示すようにすることです。
今は「歯磨きの時間だよ」等と質問していい時間ではないことを言葉や絵カード等も用いてわかりやすくはっきりと伝えます
→言葉でも絵カートでもスマホに撮った写真でも具体物でもお子さんがイメージしやすいものであればなんでもOK
質問を繰り返す場合
- 「次にお絵描きしようね」
- 「はい歯ブラシだよ」
と活動に意識を向けられるようにしてあげましょう。
質問には背景にある気持ちを共感してあげる
→説得しようとしても結局質問に終わりはありません
それどころかもっと細かいことまで気にするようになる可能性があります
大切なことは質問せずにはいられなくなった気持ちに寄り添ってあげることです
- 不安だったんだね、
- そうやって考えるとつらいよね、
- 心配になっちゃたんだね
このように共感してあげてください。
- 「どうすればいいんだろうねわかんないなあ」
- 「どうすればいいと思う?」
と、質問に答えようとしすぎず受け流すのも効果的です。
後で話を聞くことを予告する
→「今お話ししません」と注意しても、しばらくするとまた質問を繰り返す可能性があります。ですので、後で話を聞いてあげることを約束します。
- 時計の針が6になったらお話聞くからねそれまで待っててね
- おかず食べ終わったらお話聞くね
→話を聞いてあげるときも、「時計の針が7になるまで聞いてあげるよ」と時間や回数を区切っておいて、時間が来たら「約束の時間になったね、ママはまたお料理に戻ります」と終わらせてあげることがコツになります。
ポイント:このようにお子さんの気持ちを少しずつ満たしてあげながら時間を区切ってあげましょう。
役割分担で違う大人が説明する
→お父さん・お母さんがいくら答えても毎回質問を繰り返すし、納得しないけれど、先生が言った事には素直に従えるお子さんも実は多いです。
→一回で納得できる場合もあるので、何回も繰り返す時は、「お父さん・お母さんはその質問には答えられないけど、先生なら教えてくれるよ」とすべて親だけでどうにかしないといけないと思わず、役割分担して行くことも大切です。
- 学校のことなら担任の先生に
- 病気の事なら保健室の先生やお医者さんに
- 習い事のことなら習い事の先生に
質問を繰り返さなくなっていく2つのコツ
本当に伝えたいことは何か見つけていく
→困ったり嫌なことがあってもそれがうまく伝えられずストレスで質問がひどくなったりすることがあります。そう言う時は質問で本当に伝えたいことは何か思いを巡らせてみて下さい。
例
- 「何んで宿題ってするの?」→「宿題の内容が難しいのかもしれない」「漢字が苦手なのかもしれない」
- 「何で先生がいつもと違うの?」→「先生が変わっていつもと違うことがあるんじゃないか不安なのかな?」「いつもと違うからどうしたらいいのか分からないのかも」
ポイントとしては、質問が止まらなくなってしまうのはどんな時かをまずは観察してみましょう。それをスマホやメモ帳等に書きとめておくと、原因が見つかりやすくなります。
原因がわかるだけでも、
「漢字が難しかったんだね」「いつもと違うから不安になったんだね」と、自分の気持ちを伝えられるように、伝え返してあげましょう。
不安や緊張を与えないように配慮する
その為の方法としては、以下のような方法が挙げられます。
苦手なことは部分的なところでOK
- 具体例:行事の練習が多くなると何で学校に行くのか?との質問が多くなったが、見学でも良くなったことで、質問がなくなったと言う場合がありました。
見通しをもたせる
- 具体例:事前のシミュレーション、この後の予定、見本やお手本でやり方が分かる、後何回(分)までできる等、先の見通しを持てるようにしてあげると安心しやすいので質問が減る場合があります。
難しいところは手伝う
具体例:出来ないことへのこだわりで質問が多くなる場合もあります。その場合は手を加えてあげる事で落ち着くお子さんも多いです。
そもそも不安が高まらない状況を作ってあげる事で、質問自体が減ることが多いですよ。
まとめ
今回の記事のまとめです。
質問を繰り返すお子さんの3つの心理
- 不安・緊張が高い:
- 状況が理解しにくい
- こだわりが強い
気持ちを落ち着けるために質問を繰り返します。
悪気があるわけではありません。
気をつけたい2つの関わり
- 質問に答え続ける
- 強い口調で繰り返し注意する
質問&答てくれるというパターンがこだわりになり、答えてくれないとパニックになるお子さんもいます。
お子さんが気にしなくなるまで質問はいつまでも続きます
質問を繰り返している時の5つの対処法
- 質問していい時間を伝える・区切りをつける
- ものを実際に見せながら次の活動に促す
- 質問には背景にある気持ちを共感してあげる
- 後で話を聞くことを予告する
- 役割分担で違う大人が説明する
質問を繰り返さなくなっていく2つのコツ
- 本当に伝えたいことは何か見つけていく
- 不安や緊張を与えないように配慮する
→苦手なことは部分的なところでOK
→見通しをもたせる
→難しいところは手伝う
いかがでしたでしょうか?
毎回毎回同じ質問をされるとどうしたってお父さんお母さんは疲れてしまいますよね。
根本的な解決は、お子さんの不安が軽減し、安心できるようになる事にあります。
まずは、毎回毎回答え続けなくてもいいんだと、大人楽な気持ちで関わってみて下さい。
この記事が少しでも読んでくださる方のお役に立てたら嬉しいです。
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最後まで読んで下さりありがとうございました。