「なんでもいいから描いてみよう」
「好きなの描いていいよ」
「少しだけでもいいからやってみようよ」
色々声をかけても、乗らないし、無理にやらなせなくてもよいのか、やらせた方がいいのか、どう関わったらよいか分からないなあと思うことはありませんか?
誘ってもなかなか乗り気になってもらえず、あきらめてしまう事もありますし、保育園でみんなでやる時は大丈夫か心配になっちゃいますよね。
実は、絵や工作が苦手なお子さんの「やりたくない」には、お子さんによってさまざまな理由があります。その理由をお子さんはまだ言葉で伝えるのは難しいので、「やりたくない」と一言でまとめたり、泣いたりして行動にでている事が多いんです。
お子さんによって苦手な理由は異なり、その対応も異なります。
そこで本記事では、お絵描きや工作が苦手なお子さんの5つの理由について解説します。そして、お子さんの苦手さに合わせた、周囲の関わりをご紹介します。最後に、制作活動への苦手意識を減らしていけるような工夫について、まとめさせていただきました。是非参考にしていただけると幸いです。
制作活動が苦手なお子さんにお悩みのお父さん・お母さんの少しでもお役に立てればと思っております。もし、いいなと思えたら、今回の記事をSNS等で広めていただけると嬉しいです。
- アサヒです。臨床心理士・公認心理師です。
- 子育て中のお父さん・お母さんを心から尊敬しています。
- 子育て相談&発達障害支援を10年間続けています。
- 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています。
- 教師・保育士・小児の作業療法士がいる子育て支援一家で生活してます。
- 私自身、2人の子どもを毎日マインドフルに子育てしています。
- さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場で、働いているので、心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを実践しています。
- お子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています。
どうしてやりたがらない?工作が苦手な5つの理由
- 手先の不器用さがある
- 手順を覚えられない
- 集中できる時間が短い
- 感覚が敏感
- 自由に作るのが苦手
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手先の不器用さがある
→手先に不器用さがあると当然ですが、制作は苦手なお子さんが多いです。細かい手の動きがスムーズにいかず、思ったように動かせないからです。頭の中でイメージしたものが作れず、イライラするお子さんも多いです。
手順を覚えられない
→作り方や描き方を忘れてしまい、次に何をすればよいのか、途中で分からなくなってしまうお子さんもいます。
そうすると周りから遅れる事が気になり、他の子はできているのに自分はできないので制作活動に自信がなくなり、嫌がるようになります。
集中できる時間が短い
→他の事に興味がうつったり、飽きてしまったり、じっとしていられないお子さんも制作活動は苦手な事が多いです。
他の物事に注意が目移ししてしまい、作品がなかなか完成できず、別の事がやりたくなってしまうからです。
感覚が敏感
→ノリや粘土の感触がいやで触れないお子さんもいます。
感じ方は人によってさまざまで、やりたいんだけど、出来ないというお子さんもいらっしゃいます。
自由に作るが苦手
→「自由に描いていいよ」「運動会の絵を描いて」等と、かくもの・作るものがぼんやりと抽象的な場合、何をしたらよいのか、自分で考えるのが苦手で描けない・作れない事があります。
どう関わったらいいの?お子さんとの関わり
大前提:お子さんのできるレベルに合わせた関わりをしてあげましょう。
苦手意識が減っていくにはいくつかのステップをクリアしていく必要があるからです。
まずは、お子さんの出来そうな所から初めていただく事が重要です。
- 絵が描くのが苦手:輪郭は大人が描いて、中の色をお子さんが塗るところから、段ボールやクリアファイルのかたを作ってそこを塗る、写し絵にする等
- 工作が苦手:ハサミやクレヨン、色鉛筆を持ちやすい物にする。輪郭は大人が切ってあげる等
手先が不器用なお子さん向け
仕上げをお子さんが行う
→苦手意識が強く、すでに楽しめないお子さんには仕上げをお子さんができるようにしてあげましょう。
最後をお子さんがやることで、「できた」という達成感を味わえるからです。
このような「できた」の積み重ねが自信につながります。
自信が持てるようになってきたタイミングで、9割手伝っていたのを8割、7割、6割等と手伝うサポートを徐々に減らしていくのが苦手意識を減らしていくポイントです。
- 「前はここまでだったのに、これもできるようになったね」
- 「自分からハサミで切ってみようと思ったんだ」
頑張っている所は積極的に褒めていくのが、成功するためのコツになります。
できない所を手伝う
→そこまで苦手意識が強くない場合や、少しずつ自信がついてきたら、できない所だけ手伝ってあげましょう。
お子さんがやった所は「上手に描けたね」「すごい、そこまでやってみれたんだ」等と褒めてあげて下さい。
制作活動が楽しいと実感してもらえることや、達成感を得られてお子さんの自信につながる事が重要だからです。
お父さん・お母さん、または先生が全てやってあげてしまわないようにしましょう。全て手助けすると、やりたくない事はやらなくなるからです。お子さんも人任せにして、自分で頑張ろうという、意欲も湧かなくなります。部分的に手伝ってあげて、お子さんが上達していくのに合わせて少しずつ手伝う部分を減らしていくのがポイントです。
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短集中&手順が分からないお子さん向けの関わり
手順を細かく分ける
→「折り紙を切って、箱にはります」と2つの動作があると切っている最中に、分からなくなるお子さんや、別の事が気になって箱に貼る事を忘れてしまうお子さんがいます。手順はなるべく1つの動作にしてあげると、覚えやすいですよ。
順番に伝える
→お子さんが制作中に伝えると、次にやる事を聞き逃してしまう場合があります。一つ終わったら次を伝えるという順番に伝えてあげると、分かりやすいお子さんは多いです。
休憩をはさむ
→集中するのが苦手なお子さんは、合間に休憩を入れてあげましょう。「ここまでやったら休憩だよ」「時計が3になったらお菓子休憩にしよう」等と伝えると、お子さんもそこまでは頑張ろうという気持ちになって頑張れます。
感覚過敏のお子さんの向けの関わり
→無理せず道具を使いましょう。大人でも嫌な感触の物に触るのは抵抗ありますよね。
不快な思いをするからやりたくてもできない、触れないのは切ないですよね。
ですので、ノリや粘土に抵抗がある場合、できるだけ指や手を使わなくても済むようにしてあげましょう。
へらや筆等を使う、ノリをちょっとだけ小皿に入れる等の配慮をお願います。
自由と言われても分からないお子さん向けの関わり
- 「かけっこの絵を描こうか」
- 「〇〇怪獣の絵を描いて」
- 「パパとママ作って」
具体的な言葉かけをしてあげましょう。
もちろん、「かけっこと玉入れどっちの絵を描きたい?」等と一緒に考えてあげる事もよいですし、実際の写真をスマホ等で見せてあげ、制作したいものを決めてあげてもいいでしょう。
お子さんが作りたいものをイメージできるかどうかが重要だからです。
全てに苦手さに関わる重要なポイント:
お子さんの良い所を見つけてあげて褒めてあげる事です。制作活動が苦手なお子さんは、自信がなくなっている場合が多いです。
- 「今日はここまでできたね」
- 「色んな色を使ったね」
- 「楽しそうな絵だね」
このような言葉かけがお子さんのやる気と自信につながります。
お子さんがお絵描きや工作を嫌がらない為の3つ工夫
手順の見える化
→口で「こうやるんだよ」だけだと、手順が覚えられないお子さんもいます。
図や絵でひとつひとつのプロセスを示してあげる手順表があると分かりやすいです。
例:折り紙の簡単な例を作ってみました。文字も書いてあげても良いですし、お子さんのレベルに合わせて作ってあげましょう(私はずぼらなので家庭ではこのように簡単なものを作ってます)。
家庭では思うまま自由に表現させてあげましょう。
→保育園や小学校では、描きたいものというより、先生の提示したものを描く事がメインです。ですので、ご家庭では、お子さんが自由に描きたいものや、作りたいものを作らせてあげましょう。
家庭では練習させたくなる気持ちもすごく、すごくよく分かります。ですが、それよりも絵や工作が楽しいと思える事が大切です。
自由に表現できる時間がストレス解消にもなっているからです。
そして、楽しめたという体験の積み重ねが苦手意識を減らしてくれます。これは字の学習も同様の事が言えます。
※レゴブロックで新たな発見
お子さんの手先の器用さや創造力を育てていくには、やはりレゴブロックが万能です。
見本と一緒に合わせる練習や自分で創造して遊びを広げる遊び等、一度にさまざまなお子さんの能力を刺激してくれます。
男女問わずに、お子さんが夢中になってくれるので、楽しく自由に表現するにはうってつけです。
レゴランド(C)・ディスカバリー・センターは、限定品をはじめ、店頭では手に入らない特別パッケージや特別価格での商品を販売しているので、お子さんが好きなレゴブロックを選んでみて下さい。
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興味のあるものから誘ってみましょう
→絵や工作はお子さんの興味をもっているものを活かしてあげましょう。
興味があるもの好きなことはとても集中して取り組めるからです。
実際に家の子は塗り絵に興味が全くなく、親の渡した塗り絵はこの通り、ササっと終わらせてすぐにどこかに行ってしまいました。
ですが、大好きなプリンセスの塗り絵はものすごく集中して描いており、今では塗り絵が大好きになりました。
ですので、制作活動の中にお子さんの好きな事を取り入れるのは、嫌いにならないためにはすごく重要になります。
手先を使う遊びに慣れましょう
→洗濯ばさみや、塗り絵等、手先を使う遊びに慣れておくと、手先をスムーズに動かせる練習になります。可能な範囲で取り入れてあげて下さい。
例:洗濯ばさみを使った遊び
例:GESTAR(ジスター)を使った遊び
真ん中の穴にヒモを通して、ヒモ通しで遊ぶと結構集中してくれます。
まとめ
絵や工作といった制作活動の苦手さにはお子さんによってさまざまな理由があります。
関わりを変えた当初は、当然まだお子さんは絵や工作に苦手意識があります。
- 「もう少し丁寧に」
- 「大きすぎる」
細かな点であっても出来ないところを指摘するような声かけはなるべく避けてあげて下さい。
お子さんの自信が失ってしまいます。実は軽い気持ちで言ってしまった一言でも、お子さんは「下手なんだ」と受け止めてしまう場合があります。
最初は苦手でも、慣れていく内に、出来る事が増えたり、工夫するようになったり、上達がみられたら褒めてあげましょう。
何より、やってみて楽しかったという経験がお子さんの財産になりますので、まずはお子さんが楽しく取り組めることを重視してあげて下さい。
最後まで読んで下さりありがとうございます。