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言うこと聞かない子どもが変わる!トークンエコノミー法【成功のコツ】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります
  • 朝のお仕度を自分でやってほしい!
  • 注意されなくてもお片付けができるようになってもらいたい!
  • 夕飯の前に宿題を終わらせるのを習慣化したい!
  • 自分からお手伝いできるようになってもらいたい!
  • 自分の事は自分でできるようになってほしい!

怒ったり、毎回お願いしたりせずに、これらの事を、お子さんが、自然にできるようになる方法を知りたくないですか?

トークンエコノミー法とは

子どものやる気を引き出すトークンエコノミー法子どものやる気を引き出すトークンエコノミー法

お子さんのやってほしい行動を増やすのに、親子で楽しくできるトークンエコノミー法という方法があります。一見難しそうな方法のようですが、簡単に説明すると、お店でもらえるポイントカードがまさしくトークンエコノミー法です。

トークンエコノミー法の例

「10コ貯まると餃子1皿プレゼント!」のように、一定のポイントが貯まると、景品と交換してもらえるというシステムの事で、ついついその行動をしたくなるように設定されています。

お店側からすると、お客さんにやってほしい行動とは、「自分のお店で買い物をしてくれる」という行動です。ネットの「〇〇スーパーセールポイント最大34倍」なんか、景品はありませんが、ポイントだけを貯めたくて、買い物をしてしまいませんか?ポイントを集めることにだけはまる方も多いぐらい、このトークンエコノミー法は、やってほしい行動を増やすのに、効果が実証されているんです。

実は、この方法は子育てでも簡単に使う事ができるんです。実際に子育て相談で提案してみると、

  • 「自分から宿題やるようになりました。」
  • 「何も言わなくてもお手伝いしてくれるようになった。」
  • 「洗濯たたむのは自分の仕事だと思っているみたいです」

等と、上手くいったという感想を沢山いただけます。

かなり簡単で効果的な方法なので、「なんかやれそう!」と気軽に思える反面、実際にやってみると、思ったよりも上手くいかない事もあります。

そこで本記事では、トークンエコノミー法を子育てで上手に使っていくためのステップと、成功しやすいコツについて詳しく解説していきます。ステップごと、順番に進めていけば、効果的なトークンエコノミー法ができるようになります。また、実際に私が使っている、お手伝いシートや、さまざまなトークンのバリエーションをお見せします。本記事を読んでいただくことで、読んだすぐ後から、トークンエコノミー法を始める事ができるようまとめていますので、お子さんの増やしたい行動があるお父さん・お母さんは、是非参考にしてみて下さい

  • アサヒです。10年間子育て支援をしている、臨床心理士・公認心理師です。
  • 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています。
  • 母親が教師、姉が保育士、妹が小児の作業療法士をしている、いわば子育て援助の専門職家庭で生活してます。
  • 私自身、2児の親で毎日マインドフルに子育てしています。
  • 心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場でも、働いているので、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを実践しています。
  • 毎日多くのご家族と関わっています。同じ悩みでもお子さんやご家族の子育てスタイルに合わせてさまざまな対応をしています。
  • このブログを読まれている方のお子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています。

トークンエコノミー法の作り方

子育てで使うトークンエコノミーも基本的にはポイントカードと同じです。そして最終ゴールとしては、ご褒美がなくても、自然と大人の望む行動が習慣化されている事です。

自然にお皿洗いしてくれたり、自然にお片付けできたら嬉しいですよね。

それではトークンエコノミーを進めていくためのステップを具体例を示しながら解説していきます。

  • ステップ1: お子さんに説明する
  • ステップ2: 目標(行動や期間・回数等)を決める
  • ステップ3: ポイントとご褒美を決める
  • ステップ4: お子さんが実行する
  • ステップ5: できたらホメる&ポイントをあげる

ステップ1: お子さんに説明する

「夕飯の前に宿題終わったら、シールを1コあげよ。シール集めたらご褒美と交換できる、ワクワクチャレンジっていうの、ママと一緒にやってみない?」と、分かりやすく説明します。

「トークンエコノミーやってみない?」だとお子さんはなんのこっちゃなので、お子さんが乗りそうなキャッチフレーズで誘ってあげるとよりよいです。

ステップ2: 目標(行動や期間・回数等)を決める

  • 「夕食の前までに宿題終わらせるでいい?それとも18時までに宿題終わらせるにする?」
  • 「最初は5コシールを集めたらご褒美っていうのはどうかな?」
  • 「5日間まずは試してみよう」

上記の例のようにお子さんと一緒に目標を決めましょう。初めてやる時は、少ない回数から始めてあげると、すぐにご褒美がもらえるので、見通しが持てます。それに、「ちょっと頑張ればご褒美だ」とやる気がでます。

ステップ3: ポイントとご褒美を決める

  • 「夕飯の前に宿題できたら、シール1コあげようと思うんだけど、シールとスタンプどっちがいい?」と確認してあげる
  • 「じゃあ、今度一緒にワクワクチャレンジに貼るシール(スタンプ)を買いに行こう」とポイントもお子さんが好きなものを選んであげましょう。

このような言葉かけは、お子さんのモチベーションにつながります。

ご褒美も何がいいか、親子で一緒に決めていきましょう。ご褒美はモノだけでなく、やりたい事、行きたい事等でもOKです。

ご褒美の例

アイスクリーム、100円ショップのオモチャ、家族で自転車に乗ってサイクリング、一緒に人生ゲーム、お気に入りの公園

これまでのご相談では紹介しきれないほど沢山のレパートリーのご褒美がありました。

この時に、ポイント表や、お手伝いシート等、ポイントカードの代わりになるようなものを用意します。

ポイント表のおススメ

ぷりんときっずだと、お手伝いシートを無料で印刷できます。

こんな感じのがプリントできちゃいます↓ 「大変よくできました」も印刷できますよ。

 

お子さん用のカレンダーをネットやExcelのテンプレートにある「学校カレンダー」を印刷するのもオススメです。

トークンエコノミー法の具体例

※手の込んだポイントシートを作られるご家庭もいらっしゃいますが、すぐに始められる手軽感が私は大切だと思うので、シート自体はすぐに印刷して使えるものを選んでいます。もちろん、手の込んだシートを作ってはいけない訳ではないですし、作れるならそれにこしたことはないです。私が手抜きで、いかに楽をするかを考えているのでパパっと使用できるものをつかっているだけです。

ステップ4:お子さんが実行する

シートは見える所や、目標となる活動の近くに貼っておくと良いでしょう。ポイント表にご褒美の内容や、お子さんのやる事も記入しておいてください。

ステップ5:出来たらホメる&ポイントをあげる

できたら毎回褒めてあげましょう。「またやろう」というモチベーションにつながります。お子さんがシールを貼ってもいいですし、褒めた後に、大人が貼ってあげてもいいです。スタンプはお子さんが押したがる場合が多いです。

褒め方が分からないという方は以下の記事を参考にしてみて下さい。

【すごい・えらいは危険!?】注意したい子どものほめ方3パターンお子さんを「すごい」とだけ褒めるのは危険だと知っていましたか?本記事では、「すごい」「えらい」等、注意したい子どものほめ方について3つのパターンを紹介します。記事を読んだ直後から簡単にできる、「すごい」「えらい」を逆にお子さんの成長をうながす、効果的なほめ方に変える3つの方法が分かるようになりますので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。...
【簡単!今すぐできる】子どもがやる気をだす効果的なほめ方のコツお子さんが、着替えない、片付けない等、してほしい行動が増えない、やる気をだしてくれず困っているお父さん・お母さんで、お子さんがやる気をだしてくれる効果的なほめ方を知りたい方はいますか。本記事では、効果的なほめ方のレパートリーやタイミング、姿勢までを具体的に解説しています。この記事を読むと、読んだ直後からできる、効果的なほめ方のコツが分かります。...

子育てでトークンエコノミー法が成功するためのコツ

以上のステップでいくと基本的には上手くいきやすいですが、以下のコツも意識していただくことで、より成功する確率がアップしますので、試してみて下さい。

一緒を意識する

トークンエコノミーが長続きするコツは、お子さんと「一緒に」が重要です。一緒に目標やご褒美を決めるのはもちろん、一日の終わりに一緒にポイントシートを確認してあげ、沢山褒めてあげましょう。

ポイントはお子さんの好きな物を使う

好きなキャラクターのシールやスタンプを100円ショップで買ってきてもいいですし、お母さんの丸が好きな子もいます。ご褒美よりも、毎回もらえるシールやお母さんからの花丸が一番のご褒美というお子さんもいました。

できなくても怒らない

達成できなければ、欲しいものが手に入らないという罰を受けているので怒るはぐっと我慢してあげてください。

「せっかく決めたんだからやってよ」と言いたくなる気持ちも当然分かります。

そんな時は、「ご褒美楽しみだね」とポジティブな言葉かけや、「頑張ろうとしてたもんね」とフォローしてあげましょう。

トークンエコノミーは、怒ったりせずに望ましい行動を増やしていける、とても良い方法なんです。

飽きずにできる回数からはじめる

目標を決めて、いきなり100日は無理ですよね。まずは平日5日間の5回等少ない回数から進めてあげましょう。そしてそれに慣れてきたら徐々に期間を伸ばしていってあげるのがコツです。

トークンエコノミー法発達障害例

難しい目標にしない

必ず〇〇する 毎日〇〇する等は、一回ミスするとやりたくなくなってしまいます。何回ミスしても続けられるように目標を決めておきましょう。

複数の行動を設定するときは、簡単にできる行動も入れる

朝の支度や、寝る前の準備等いくつかの行動を増やしたい時は、お子さんが必ずできる行動を1つはいれてあげましょう。いつも難しい行動ばかりだとやる気でないですし、ポイントも増えずに、余計やりたくなくなってしまいます。ですが、必ずできる行動もポイントシートの中に入っていれば、そこだけは毎回ポイントをもらえるので、あと少し頑張れば、ちょっといいご褒美がもらえるとモチベーションにつながります。

トークンエコノミー法発達障害

このポイントシートでいうと、「朝ごはん食べる」と「行ってきます」は自然にできていましたがあえて入れる事で必ずシールがもらえるのでお子さんも張り切っていたそうです。

ご褒美はランクに分ける

すべて完璧にできなくてもご褒美があると分かればもう少しだけ頑張ろうという気持ちにつながります。何回かミスしても、続けてみようというお子さんがモチベーションを維持できるシステムにしていく事がとても大切です。トークンエコノミー法効果

例:シール5コでアイス、シール3コでチロルチョコ1コ

シール10コでガチャガチャ1回、シール8コでチョコレート1枚、シール5コでアメ1コ

トークンエコノミー法発達障害の効果

こんな感じで実践してみると楽しくできたと感想がいただけました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。もし、目標を達成するのが当たり前になってきたら、目標や、ご褒美だったり、期間(回数)だったりを変えていきましょう。最後にトークンエコノミー法を行うメリットについて説明します。

トークンエコノミー法を行うメリット

親子関係が良好になります。

叱ったり怒ったりせずに、お子さんの行動が増えていくからです。褒められる事で、余計に関係がよくなるので、一石二鳥ですね。

お子さんが目標に向かって頑張れるようになる

目標の見える化ができているので、「ここまでやったら、あと少しだ」と、あきらめずに頑張れる力がつきます。

自分で見通しを立てて計画していく、セルフコントロールの力が身につくんです。自立して生きていくためにとても重要な力がトークンエコノミー法で身に付きます。

お子さんの自信・やる気につながる

ポイントをためていく事で、できたたことに注目できます

ポイントシートを見ながら、どこまで頑張ればいいのか、見通しが持ててやる気になります

シールやスタンプ自体がご褒美になる子もいるので、ワクワクしながらできます。

毎回ご褒美をあげなくてよい。

トークンエコノミーを活用することで、「お皿洗ったらアイス買ってあげるから」等と毎回毎回ご褒美でつらなくてもよくなります。

自分で自然とできるようになるには

毎回できたら褒めるのが、最重要です。お子さんにとっては、大好きなシールやご褒美よりも、大大大好きなお父さん・お母さんから、褒められることの方が何倍も嬉しいからです。

面倒だなあという気持ちも分かります。ですが、毎回やって欲しいのにできなくて、いつまでもいつまでも注意し続けるよりはきっと楽なはずです。1日の最後に一緒にポイント表をみて、できた所を沢山褒めてあげて下さい。きっとそれがお子さんにとっての一番のご褒美になりますよ。

親子で楽しくやってみて下さい。ちなみに我が家は子どもが3歳からトークンエコノミー法を使っています。妻と「次は何にしようか」「子育てって楽しいね」と、毎回頑張っている子どもみながら一緒に楽しんでいます。

最後まで読んで下さりありがとうございました。