- みんながつまらなそうにしていても遊び続ける
- 同年齢のお友達が少ない
- お友達と喧嘩になりやすい
- 集団で遊ぶのを嫌がる
お子さんが、お友達と仲良くしたい気持ちがあっても、うまく遊べないことはありますか?
「まあいずれ大丈夫だろう」と思いつつも、「このまま大きくなって大丈夫かなあ」と心配になることもありますよね。
実は、ある簡単な関わりを意識していただく事で、お友達付き合いの悩みが解消する可能性があります。
今回の記事では、お子さんのお友達付き合いについて、以下の4つのポイントで解説していきます。
- お友だち付き合いがうまくいかない3つの理由
- 上手くいかなかった時の対応
- 周りが気をつけたい2つの言葉
- 友だち付き合いが上手になっていく言葉かけと関わりのコツ
以上のポイントをおさせていただくことで、お子さんのお友だち付き合いについての知識と対応が身につけられますので、お子さんの行動で困った時でも、「こうすればいいんだ」というお父さん・お母さんの悩みの解決に繋がります。
- アサヒです。臨床心理士・公認心理師です。
- 子育て中のお父さん・お母さんを心から尊敬しています。
- 子育て相談&発達障害支援を10年間続けています。
- 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています。
- 教師・保育士・小児の作業療法士がいる子育て支援一家で生活してます。
- 私自身、2人の子どもを毎日マインドフルに子育てしています。
- さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場で、働いているので、心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを実践しています。
- お子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています。
お友だち付き合いがうまくいかない3つの理由
- お友だちの気持ちを察するのが苦手
- 自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手
- 自分が周りに合わせるのが難しい
お友だちの気持ちを察するのが苦手
実は、お友達と仲良くしたくてもできないお子さんの多くは、お子さんからすると、お友達が怒ったり、悲しかったりしていることに気づいていない場合があります。
お友達の気持ちに気づけないが為に、悪意なく、自分の気持ちを優先してしまい、結果的に相手の気持ちを無視した行動やお友達をイライラさせたりしていることが多いです。
当然、お友達からしたら面白くないし、「自己中だ」と思われやすく、距離を置かれてしまう場合があります。
自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手
- イライラする
- 楽しい
- 疲れる
- 悔しい
- 恥ずかしい等々
言葉で相手に自分の気持ちを伝えるのが苦手なお子さんもお友達付き合いが難しい場合があります。
→いろんな感情が湧き起こっても、
- 「バカ」
- 「つまんない」
- 「うるさい」
- 「あっちいって」
上記のような言葉で表現する為、他のお子さんは責められたと思ってしまうからです。
気持ちを表現するのが苦手なお子さんからすると、「うるさい」と言ったことで周りが静かになった、大人が配慮してくれたという体験をすると、負けて悔しい時や、思い通りに行かずにイライラした時に、「うるさい」と言えばいいんだということを間違って学習してしまっている場合があるからです。
また、自分の中に湧き起こる感情に名前をつけられない、この感情を言葉にできない可能性もあります。
大人であれば、お子さんの気持ちを察することができるので「悔しかったんだね」「恥ずかしかったね」と思いやってあげられますが、お子さん同士の場合はそれが難しく、仲よくできずに困ってしまうんです。
他にも自分の気持ちを伝えるのが苦手だとこんな姿が見られます
- 怒られているのにニコニコしている
- みんなと遊ぶ場面で怖がる
※場面に合わせた感情表出が苦手で、「(怒ってるのに)ちゃんと聞いてる?」「なんでやらないの?」と意図せず周りを困惑させてしまうこともあります。
自分が周りに合わせるのが難しい
→同い年のお子さん同士で遊ぶが成り立つには、①ルールを守ったり、②お互いに譲り合ったり、③我慢したり、④相手の気持ちを思いやる力が必要になります。
①自分のやり方で進めたり、②嫌なことを拒否したり、③好きなようにルールを変更したりすると、周囲からはワガママな子のように思われ、距離を置かれやすくなるからです。
ですが、お友達がどんなふうに感じているのか想像するのが苦手だったり、マイペースに自分のやりたいことお進めたかったりするお子さんの場合、わざとではなくても、
「自分は楽しいと思っているけど、周りはつまらない」という場の空気を読むことや、
「自分がこんなことをしたらお友達はどう思うかな」とお友達のことまで思いが至らず、
意図せずにお友達を怒らせてしまっていることが多いんです。
その場での対応
喧嘩の止め方ステップ3
お友だち付き合いをせず、一人遊びに没頭している場合は良いですが、お友だちと関わりたくても上手く関われないお子さんは意図せずトラブルになってしまう場合があります。
そのような場合は、近くにいる大人がすぐに止めてあげる必要があります。
ステップ1 まず止めさせる
喧嘩はケガをしないよう間に入り、悪口や乱暴な言葉、いじめている場面を目にした時も止めさせましょう。
ステップ2 状況を整理しましょう。
お互いの言い分を確認します。
どうして喧嘩になったのか、個別に確認しましょう。
状況が分からない時は周りにいるお子さんから確認しましょう。
ステップ3 どんな理由があっても乱暴はいけない事を伝えましょう
状況を整理した上で、感情と行動を分けて、気持ちは理解できるけど、叩く行動はいけないことを伝えましょう。
例:悔しかったんだね、でもお友だちは叩いてはいけません
※この時、ポイント大きな声で怖い顔で伝えるのではなく、冷静に淡々と、しっかりと目を見て伝えあげると真剣さが伝わります。
お子さんの言葉を訳してあげる
「うるさい」といったお友だちを注意するような言葉で、お子さんは自分の気持ちを表現している場合があります。
お子さんは「うるさい」と言えば気持ちは伝わったと思っている、もしくは、自分の気持ちが分からず、相手を責める言葉になってしまっているからです。
ですので、「イライラしたんだね」、「悔しかったんだね」とお子さんの気持ちを推察してあげ、気持ちを言葉で伝えてあげましょう。
何も言わずに配慮するのではなく、気持ちにラベリングしてあげることで、泣いたり、怒ったり、「うるさい」と言わなくても、自分の気持ちに気づいて、同じような場面で言葉で表現できるようになっていきます。
気をつけたい関わり
人格を否定する
ダメな子だ、最低等とお子さん自身の人格を否定するのではなく、「叩くのはいけないよ」と行為を注意するようにしましょう。
人格を否定してしまうと、自分は存在してはいけないんだと自尊心が傷ついてしまうからです。
長く叱る
長く叱ると、何について注意されているのかお子さんは分からなくなってしまうからです。
短く、具体的な言葉で「やめてと言いましょう」「椅子に座って下さい」等と伝えた方がお子さんは、何をすればいいのか伝わりやすいです。
友だち付き合いが上手になっていく関わりのコツ
- 相手の表情や気持ちを読み取れるような関わり
- 好きなことに没頭できる時間を確保してあげましょう
- 一人遊びが好きなら無理に仲良くさせなくても良いです
- ヘルプや要求を言えるようにしてあげましょう
相手の表情や気持ちを読み取れるような関わり
顔の表情を読み取るのが苦手なお子さんは、お友だちが怒ったり悲しんだりしている事が分からない可能性があります。
表情から読み取る練習をすることは、自分の気持ちにも気づく練習にもなります。
イラストや絵本を使って、表情と感情を関連付ける練習も大切です。
アニメや映画、動画等でも、主人公の表情と感情を大人が伝えてあげてもいいでしょう。
大人も一緒に見たり、読み聞かせてあげながら、「こうされると嫌なんだよ」「こういうといいね」と登場人物の周りとの関係やマナーを言葉で伝えてあげて下さい。
気持ちに関しても、セリフのない動画が役に立ちます。
「悲しいよね」「◯◯されて悔しかったんだね」等と主人公の気持ちを伝えてあげることで気持ちの理解や表現につながっていきます。
好きなことに没頭できる時間を確保してあげましょう
お子さんが好きな事に没頭できる時間を作ってあげましょう
⇒好きな事を満足いくまでできる事で、心に余裕ができるので、思い通りにいかなくても、我慢できるようになるからです。
ご家庭や、園の自由時間に満足いくまで、好きな事で没頭させてあげることで、結果的に、自分勝手に遊ぶのではなく、お友だちと遊べる体験が増えていきます。
一人遊びが好きなら無理に仲良くさせなくても良い。
友達と仲良くなっていくにはどうしたらいいの?集団遊びできるの?と気になる方は、発達について、過去の記事が参考になります。
ヘルプや要求を言えるように
- やめて
- 助けて
- 手伝って
- やらせて
- 代わって
大人との関わりでも、「できない」「やれない」等というお子さんがいます。
ですが、それだけでは相手に何をしてほしいのか、お友だち同士ではわかりません。
ですので、うるさい!ばか!ではなく、ヘルプや要求の言葉を言えるようにしてあげる事は大切です。
お友だちにどうしてほしいのかが伝わるからです。
また、乱暴な言葉や叩く等の行為をされると喧嘩に発展しまいます。
言葉で要求できるようになることで、トラブルを減らせるようになっていきます。
ですので、「できない」「やれない」等の状態だけの報告場合、「どうしてほしいの?」とヘルプや要求まで言えるように引き出してあげて下さい。
専門家の支援を利用するなら
SST:ソーシャル・スキル・トレーニング 集団に合わしていく練習
→受けられる可能性がある機関;児童発達支援センター、療育センター、学校や保育園、医療機関
集団療育
→受けられる可能性がある機関;児童発達支援センター、療育センター、医療機関
個別のカウンセリング
→受けられる可能性がある機関;医療機関、学校や保育園、療育センター
お住まいの地域によって利用できるサービスが異なるので、事前にご確認していただく必要があります。
まとめ
今回の記事のまとめです
お友だち付き合いがうまくいかない3つの理由
- お友だちの気持ちを察するのが苦手
- 自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手
- 自分が周りに合わせるのが難しい
その場で大人に求められる対応
喧嘩の止め方ステップ3
ステップ1 まず止めさせましょう
ステップ2 状況を整理しましょう
ステップ3 どんな理由があっても乱暴はいけない事を伝えましょう
※冷静に淡々と、しっかりと目を見て伝えあげると真剣さが伝わります。
子どもの言葉を訳してあげる
気持ちにラベリングしてあげることで、泣いたり、怒ったり、「うるさい」と言わなくても、自分の気持ちに気づいて、同じような場面で言葉で表現できるようになっていきます。
- 人格を否定する
- 長く叱らない
友だち付き合いが上手になっていく関わりのコツ
- 表情や気持ちを読み取る練習を
- アニメや漫画、絵本で相手の気持ちを理解できるように
- 好きなことに没頭できる時間を
- 一人遊びが好きなら無理に仲良くさせない
- ヘルプや要求を言えるように
いかがでしたでしょうか。
「もう◯歳だから」、「年長さんになったんだから」等、年齢や学年をノルマにしてしてしまうとお子さんもお父さん・お母さんも思うようにいかず、苦しい思いをすることがあります。
ノルマに囚われず、目の前のお子さんに合わせた関わりからお子さんは発達していきます。
社会性の発達はお子さんによって異なるからです。
例:まだ一人遊びが好きなお子さんに、無理にお友達と遊ぶことを強要してしまうと、余計にトラブルになったり、友達と関わるのが嫌いになってしまいます。
お子さんのペースに合わせて、注目するポイントや言葉かけを伝えてあげることで、お友達と仲良く過ごせたという成功体験が積み重ねていけます。
ご心配なようでしたら、ご家庭で悩むだけでなく、さまざまな相談機関を利用してみるのもいいかもしれません。
この記事が少しでも困っていらっしゃる方のお役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。