- 「褒めても喜ばない」
- 「反応がイマイチ」
- 「頑張って工夫して褒めているけど効果ない」
最近では褒め方のコツについて、さまざまな方法が本やメディアで紹介されています。
そんな褒めるという行為ですが、いろんな褒め方を学び、日々の子育てで取り入れてみてもお子さんの反応が薄いなあと思うことはありますか?
褒めてもお子さんが全然喜んでくれないと、褒める回数も減っちゃいますよね。
実は褒めても「反応がいまいちだ」という時にはいくつかの原因が考えられるんです。
そこで今回の記事では、頑張って褒めてもあまり効果がない時に考えられる原因とその対処法について解説していきます。
この記事で分かることは以下の通りです。
- 褒めても反応が薄い理由
- 理由に合わせた対処の方法
- お子さんに合わせた褒め方レパートリー
- お子さんが褒められたと感じやすい上手な褒め方のポイント
褒めることが効果的に活きてくる為のコツが分かりますので、褒めてるのにお子さんの反応がいまいちという方は是非参考にしてみてください。
褒めても喜ばないお子さんにどう対応したらよいかお困りのお父さん・お母さんの悩みの解決にお役に立てればと思っております。もし、いいなと思えたら、今回の記事をSNS等で広めていただけると嬉しいです。
- アサヒです。臨床心理士・公認心理師です。
- 子育て中のお父さん・お母さんを心から尊敬しています。
- 子育て相談&発達障害支援を10年間続けています。
- 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています。
- 教師・保育士・小児の作業療法士がいる子育て支援一家で生活してます。
- 私自身、2人の子どもを毎日マインドフルに子育てしています。
- さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場で、働いているので、心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを実践しています。
- お子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています。
褒めても反応が薄い4つの理由
1:褒められたことに気づいていない
何かに集中している時や、違うことに注意が向いている時に突然褒められても気づかない場合があります。
以前紹介したマルチタスクが苦手なお子さんや、得意不得意が激しいお子さんの場合、同時にいくつもの事に注意が向けられてない可能性があるからです。
対処法
注意を引く
「名前を読ぶ」、「肩をトントンと叩く」等で、注意を引いてから褒めてみてください。
余裕で聞こえるぐらいの声で褒めても、お子さんは意外に気づいていない場合が多いんです。
→「名前や肩を叩いたら褒める」といった、褒めるときのパターンが決まっていると、
「名前を呼ばれる(肩を叩かれる)=褒められる時」だと分かり、お父さん・お母さんの言葉かけに対して反応しやすくなるお子さんも多いです。
褒められた時にどう反応して良いのか分からない
褒められたことに気づいているんだけど、反応が薄い場合
褒めてくれた相手にどう反応したら良いのか分からない場合があります。
特に幼いお子さんの場合には多いかもしれません。
お子さんはまだまだ成長している最中なので、褒められた時にどんなリアクションした方が良いのか知らない場合もあるからです。
対処法
成長を見守る視点は大切ですが、
- 身振り(バンザーイ・GOODポーズ等)
- 表情(笑顔・微笑み等)
- 言葉(ヤッター・イエーイ等)
と言った、褒められた時の反応を大人がモデリング(教えるのではなく、日常で見本として示す)しておくことは大切です。
褒め方が合っていない場合もあります。
→小学校高学年以上の場合、年齢にあった落ち着いた褒め方を好むお子さんもいますので、以下のような褒め方も試してみて下さい。
【落ち着いた褒め方のレパートリー】
感謝する: お手伝いしてくれてありがとう
お子さんの行動に気が付く: 片付け出来たね
ほほえむ: 一緒に拍手をしてあげてもいいでしょう
サイン: 親指をたててグットサインや、Vサイン、OKサイン
興味・関心を示す: 「おもちゃで遊んでいるお子さんに“楽しそうに遊んでるね」「今はどんな宿題やっているの?」
褒められるよりご褒美主義
就学前のお子さんは、褒め言葉より、お菓子やオモチャと言ったご褒美や、公園や遊園地のような楽しい活動でないと喜ばない場合があります。
対処法
お子さんの発達に合わせて、人からの注目も喜ぶようになります。
焦らずに今は効果のあるご褒美を使いつつ、言葉でも褒めてあげましょう。
トークンエコノミー法は見ても分かりやすく、頑張れた分だけご褒美をもらえることが分かります。
達成できたときに褒めてあげると褒め言葉でも嬉しく思えるようになりやすいです。
トークンエコノミー法については、過去の記事も参考にしてみて下さい。
何を褒められたか分からない
褒める時に、「すごい」「えらい」「良い子」だけでは、具体的ではないため、お子さんは何に対して褒められたのか分からない場合があります。
このような褒め方によるデメリットもあります。
気になった方は過去の記事を参考にしてみてください
対処法
具体的に伝える
ありきたりになってしまいますが、何が良かったのか具体的に伝えてあげるのは大切です。
ここで超重要なポイントは、パパママにとって望ましい行動を褒めてあげることです。
- 兄弟喧嘩をしている時に、喧嘩をやめれたことは望ましいことなので、やめれたことを褒めてあげて下さい。
- 泣いている時に泣き止んだ時も、自分で泣きやんだことを褒めてあげるといいですよ
見たことを伝える
「褒めるのが難しい」・「上手な褒め方が分からない」という方は、見たことを言うだけでも十分褒めた事になります。
- 色塗りしているね
- トミカで遊んでるね
- ジャンプしてる
- リカちゃん寝かせている
お子さんからすれば、「見てくれているんだ」と嬉しく思えます。
出来たことに気づく
どう褒めていいのか分からないと言うパパママは、出来たことだけを褒めてあげましょう。
- 靴下はけたね
- 片付けできたね
- お着替えできたね
これだけで十分です。
- できたことをパパ・ママがわかってくれたんだ、
- 見ていてくれたんだ
とお子さんが分かるだけでもOKなんです。
「すごい」・「えらい」・「いい子」以外で、褒め言葉が見つからない場合は、難しく考えずに、お子さんの行動を言葉にしてみましょう。
まとめ
今回の記事のまとめです。
褒めてもお子さんの反応が薄い時には以下のような理由が考えられます
- 褒められたことに気づいていない
- どう反応して良いのかが分からない
- 褒め言葉よりご褒美主義
- 何をほめられたか分からない
それぞれの対処法については以下の通りになります
・どう反応して良いのか分からない
→褒められたときの反応を大人がモデリングしてあげる
→年齢に合った落ち着いた褒め方をする
・ご褒美主義の場合
→ご褒美を使いつつ言葉でも褒めてあげる
→トークンエコノミー法を活用する
・何をほめられたのかわからない
→何が良かったか具体的に伝える
→見たことを伝える
→できたことに気づく
いかがでしたでしょうか?
最後にお子さんが褒められたと感じやすい褒め方のコツをご紹介します。
お子さんが褒められたと感じやすい褒め方のコツ
お子さんが褒められたと感じやすくするには以前の記事でもご紹介しましたが、初めて見る方や思い出していただくために再掲します。
①注意をひく: まずはお子さんの名前を呼んであげたり肩をトントンと叩いてあげパパママに注意を向けてあげてください。
②視線・からだ: ほめる時はお子さんの目線で、視線を合わせて声をかけてみて下さい。※お子さんによっては、同じ目線は怖いと思うお子さんもいらっしゃいますので、お子さんに合わせてあげて下さい。
③表情: なるべく明るい表情だと伝わりやすいですが、笑顔が苦手というお父さん・お母さんもいらっしゃるので、穏やかな表情をしてあげて下さい
④声の調子: 明るい声や、温かみのある声に変えてあげると、お子さんは「あっ今ほめられているんだ」と伝わります。同じ職場のスタッフは「ほめる時は、1オクターブ高い声でほめるといいよ」とよく話してくれます。
⑤言葉: なるべく短くしてあげると、お子さんはどんなことでほめられているのか分かります。
お子さんが実際に褒められてはお子さんの反応をよく見てみないとわからないことは多いです。
褒めるという行為は親子のコミュニケーションです。
大人が一方的にほめるだけでなく、お子さんの反応にも注目していただくとお子さんのやる気や自信につながる褒め方が見つかるかもしれません。
褒められたことで、お子さんの得意な事が伸びて個性につながるとお父さん・お母さんも嬉しいですね。
お父さんお母さんがお子さんを褒めてくださるのは、目の前のお子さんを大切に育てってくださっている証拠です。
たまには贅沢をしたり、リラクゼーションをして自分自身のことも褒めてあげましょう。気分が変わってお父さんお母さんの心に余裕があるだけでお子さんにもポジティブに関われます
最後まで読んでくださりありがとうございました。