- スプーンでうまくすくえない
- ハシを教えても上手にならない
- 食事が遅くなってしまう
- 食べこぼが多い
- 園や学校の時間内に食事が終わらない
お子さんのこんな行動に困った事はありますか?
食べこぼしが多いと片付けるのも大変で忙しい時間帯だと、嫌になっちゃうこともありますよね。
何とか上手に使えるようにあれこれ教えても本人がやる気にならないとあきらめてしまうこともあるのではないでしょうか。
実は、食事中にスプーンや箸の練習だけしても上達しない可能性があるんです。
上手くいかず、スプーンや箸を使わなくなってしまうお子さんもいます。
前回の記事では、食器を上手に使って、食事がスムーズになるポイントとして、
「食事中の姿勢」に注目することの重要さをまとめさせていただきまました。
まずは、スプーンや箸の持ち方や使い方ではなく、座る姿勢がいかに大切かお分かりいただけたかと思います。
まだ読まれてない方は、最初にこちらを読んでから今回の記事も参考して下さい。
下記にリンクを貼っておきます。
今回の記事では、姿勢をチェックした次に、注目する、「食器の持ち方」について、詳しくまとめていきます。
今回の記事で分かる事は以下の3つです
- 食器の持ち方に合わせたサポート方法が分かる
- 指先が発達する遊びや関わり方が分かる
- お子さんの食べこぼし対策グッズが分かる
上手に食器が使えれば、食べこぼしもなくなり、食事もスムーズになりまさに一石二鳥ですね。
食器の上達にお子さんの年齢はあまり関係ありません。
お子さんの年齢が5歳や6歳を過ぎていても有効な関わりが分かります。
ぜひ最後まで読んでみて下さい。
少しでもご家庭の負担が軽減し、お子さんが「できた」という成功体験を味わえたらと思い、
妹の作業療法士と相談しながら本記事をまとめました。
お父さん・お母さん、先生方の子育ての困り感が少しでも減り、楽しく子育てをしてもらうことを目的にこのブログを続けています。
参考になったと思ったらSNS等で共有してもらえると嬉しいです😊✨
✨自己紹介✨
- アサヒです。臨床心理士・公認心理師です
- 子育て中のお父さん・お母さんを心から尊敬しています
- 子育て相談&発達障害支援を現役で10年以上続けています
- 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています
- 教師・保育士・小児の作業療法士がいる子育て支援一家で生活してます
- 私自身、自閉&ADHDの2人の子どもを毎日子育てしています
- さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場で、現役で働いているので、心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを提案できます。
- お子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています
結論:スプーンやハシを上手に使う3つのコツ
食事中に食器を上手に使い、食べこぼさずに、スムーズに食べれるようになるには、以下の順番でチェックしてみましょう。
1:まずは座っている時の姿勢をチェック
こちらは前回詳しくまとめましたので、読んでない方はまずはこちらを先に読んでいただけると、今回の記事が役に立ちます。
2:次に食器の持ち方をチェック
ここからが今回解説するポイントです。
例:スプーンの持ち方
- 上手にぎり持ち
- 下手にぎり持ち
- えんぴつ持ち
このような3ステップで順番に発達していきます💡
ですので①上手握り持ちのお子さんにいきなりえんぴつ持ちで持つように練習させても上手くいきません💡
今回の記事では、
- スプーン
- 箸(ハシ)
- お皿・お茶わん
それぞれ持ち方に合わせたサポート&コツを画像をのせて詳しく解説していきます。
それぞれの食器に合わせた遊びも紹介していきますので、ご家庭でも試してみて下さい。
食べこぼさない食器の持ち方:スプーン編
スプーンは以下の3つのステップで発達していきます。
- ステップ1:上手にぎりもち
- ステップ2:下手にぎり持ち
- ステップ3:えんぴつ持ち
ですので、お子さんがスプーンを上手に使えない時、お子さんは今どの持ち方をしているのかをまずはチェックしてあげましょう。
にぎり持ちをしているお子さんにえんぴつ持ちを教えても上達しないからです。
スプーンのにぎり方ステップ1:上手にぎり持ち
5本の指で上手持ちでにぎる状態です。
この状態ではまだ、手首が固定されやすく、食べ物をすくいとるのが難しいです。
スプーンのにぎり方ステップ2:下手にぎり持ち
下手持ちでにぎる状態です。えんぴつ持ちになる前の段階で、徐々に食べ物をスムーズにすくえるようになります。
まだ手首を細かく動かして上手にすくったり、口の中にこぼさずにいれるのが難しいことがあります。
スプーンのにぎり方ステップ3:えんぴつ持ち
下手持ちで、操作する指(親指・人差し指・中指)を使って手首を動かせる状態です。
この状態がスプーンの持ち方の最終段階です。
写真と比べながらお子さんがどの持ち方をしているのかチェックしてみて下さい。
おすすめのスプーン
上手にスプーンを使えるようになるおススメのスプーンは以下の通りです。
持ちやすさや手首の使い方もふくめて上手に使いやすくなるのでおススメです。
中々スプーンを持つことが難しいお子さんには以下のようなスプーンは持ちやすく便利です。これで一発で矯正できたというお子さんもいました。
食べこぼさない食器の持ち方:はし編
ハシを上手に使うには以下のチェックをしてみて下さい。
- スプーンをえんぴつ持ちで持てているか
- クレヨンや鉛筆をえんぴつ持ちで持てているか
このように親指・人差し指・中指でクレヨンを安定して持てていると、ハシの練習に移っても頃と言えます。
お子さんがハシをにぎり持ちしている場合はまだハシを使うのは早いかもしれませんので、下の章で紹介している、手指の操作が上達する遊びを試してみて下さい。
お子さんが食べこぼさずにハシを使う為のコツ①
お子さんがハシを使用するとき、まずは、2つのハシを同時に動かしていないかをチェックしてあげて下さい。
このように2つのハシを同時に動かすと効率が悪くなり疲れてしまいます。
すると、食べるまでに時間がかかり、両方のハシが不安定なので、食べこぼしも多くなるんです。
じゃあどうしたらいいの?
お子さんがハシを上手に使うコツとして、親指の付け根で支えている、内側のハシは固定しましょう。
動かして食べるのは人差し指と中指で支えている、外側のハシだけにすると上手に使えるようになります。
お子さんが食べこぼさずにハシを使う為のコツ②
お子さんのハシがクロス箸になっていないかもチェックしてあげて下さい。
クロス箸で食べていた場合、お米や細かくきざんだ野菜等の小さい物や細い物をつまむのが難しくなります。
お子さんがクロス箸の時は、まだ手指の操作が慣れていないか可能性があります。
その場合、下の章で解説してある、手指の操作が上達する遊びを取り入れていただくか、クロス箸になりにくいハシを選んであげる必要があります。
クロス箸になりにくいハシは以下にご紹介しておきます。
よくハシが持てるようになる「〇〇ハシ」と言った補助具が紹介されていますが、手指の操作の発達にあってない場合があります。
ハシを選ぶなら下記のような手指の操作の上達にあったものを選んであげて下さい。
食べこぼさない食器の持ち方:お皿・茶わん編
食べる時に注目しがちなのは、スプーンやハシをいった食べものを取り上げる食器ではないでしょうか。
実は、食べこぼさずにスムーズに効率よく食べるにはお皿をもつ・お茶わん持ったまま食べすすめるもう片方の手の動きも重要なんです。
どうして?
食べる時に片手だけではどうでしょう。
お皿から口までの食べ物を運ぶ距離が長くなり、食べこぼしやすくなるからです。
お茶わんを手にもっていた方が口までの距離は近いので、お茶わんと口までの往復も早いですし、食べこぼしにくくなります。
そうすると自然とスムーズに食事時間が短くなっていくんです。
なるほど!
食事は両手を使いこなすことで、スムーズに食べられるんですよ。
上手にお茶わんを持つ時のポイントは、親指です!
親指をお茶わんのふちに乗せ、しっかりと固定して持てているかをチェックしてあげましょう。
食べこぼさずに食器を使う為の手指の遊び
指先が上達することで、食器が上手に使えるようになります。
上手に使えるようになることで食べこぼし対策にもなり、食事がスムーズになります。
以下に、スプーンやハシ、お茶わんが上達する為のおススメの遊びをご紹介します。
ご家庭で簡単にできますのでぜひ遊んでみて下さい。
食べこぼし対策遊び①:トング・洗濯ばさみで遊ぶ
ハシで「はさむ」うごきが難しい場合は、トングやピンセット、洗濯ばさみ等、開け閉めしやすい箸以外のグッズを使って練習するのが効果的です。
親指で押える力や親指や人差し指で操作する力を高めてくれます。
逆洗濯バサミ遊びは特に親指で押える力を高めてくれます。
逆洗濯バサミ遊び:洗濯バサミを反対にもち、ビー玉やスーパーボールをつまむ遊びです。
食べこぼし対策遊び②:お椀回し遊び
我が家ではスーパーボールでしたが、小さな丸い球をお椀の中にいれて、球が落ちないようにぐるぐると回す遊びです。
誰が落ちないかといったゲーム形式で行うと楽しく遊べます。
特に我が家はお風呂の中で遊んでました。
このように物を動かす力が強いとスーパーボールが落ちてしまいます。
お椀回し遊びは、親指でお椀のふちを押える練習や、物を動かす力加減、手首の使い方が上達していきます。
食べこぼし対策
お子さんがスプーンやハシを使い始めても毎回の食事で食べこぼしは多いです。
毎回の食事で床が汚れてしまうのは嫌ですよね。
食べこぼし対策として意識したいのは、イスの高さと、食べこぼしてもOKなように食べこぼしマットを用意する事です。
以下におススメのイスと食べこぼしマットを紹介しておきます。
イスは座面と足台が調整できると良いです。
食べこぼしマットは、ガラのある食べこぼしマットも良いですが、
お子さんによっては、ガラやキャラクターに注目して手が止まってしまう場合もあります。
お子さんの注目を引かない&インテリアの邪魔にならないためには、透明マットがおススメです。
厚さもある程度あった方が拭きやすいですよ。
我が家は結局いろいろ試して、ダイニングマットに落ち着きました。
最初からダイニングマットにしておけばよかったかな~と思っています。
まとめ
保育園でも小学校でも給食の時間は決まっています。
家ではのんびりでも良いかもしれませんが、園や学校では時間内に食べ終わらなければなりません。
上手に使えず、お子さんの失敗体験が積み重なると自信がなくなり、食事が苦痛になる場合もあります。
少しでも上手に使えたという成功体験を増やしてあげて下さい。
そのためにも、まずはお子さん姿勢そして、つぎに食器の持ち方に注目してあげましょう。
少しでも上達できるようなおススメのスプーンやハシをのせておきます。
楽しくスプーンで食べながら、ハシの練習までできておススメです。
食べこぼし対策におススメなイスと食べこぼしマットも、ぜひご活用下さい。
スプーンやハシ、それぞれの持ち方、発達の仕方について詳しく知りたい方は、過去の記事でも紹介してあります。
また、食事中の姿勢が悪い、食事が遅い等食事での困りごとについて、過去の記事でまとめてありますので、今回の記事とぜひあわせて読んでみて下さい。
お子さんにとって楽しい食事ができるようお役立てください。
今回の記事が少しでもお父さん・お母さん、そしてお子さんのお役に立てれば嬉しいです。
もし、参考になったらSNS等で広めてもらえると嬉しいです😊✨
noteもやっています。
「朝日/臨床心理士・公認心理師」というアカウント名ですので、是非のぞいてみて下さい。
最後まで読んで下さりありがとうございました🍀