- 遊んでいると「食事だよ」と言ってもこない。
- 無理にやめさせたり、連れてくるとギャーっと泣いてしまう
- 公園で遊んでいると、「帰ろう」と言っても遊び続けている
- いつまでも食べていて着替えようとしない
いくら声掛けしても、反応しないし、無理に連れて行こうとすると、泣いて嫌がったり、怒ったりされると疲れちゃいますよね。
こんな時に、簡単にお子さんが切り替えられる方法があれば知りたくないですか?
今回の記事では、お子さんが次の活動にスムーズに切り替えられるようになる為に理解しておきたい重要ポイントを以下の4つにまとめました。
- 次の活動に切り替えにくい3つの原因
- 切り替わりやすい効果的な2つの関わり
- 気をつけたい3つの関わり
- 習慣的にできる2つの予防的関わり
最後まで読んでいただくことで、切り替えが苦手なお子さんへの知識と対応が身につけられますので、お子さんが切り替えられない時に「どうすればいいんだろう」という悩みの解決に繋がります。
- アサヒです。臨床心理士・公認心理師です。
- 子育て相談&発達障害支援を10年間続けています。
- 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています。
- 教師・保育士・小児の作業療法士がいる子育て支援一家で生活してます。
- 私自身、2人の子どもを毎日マインドフルに子育てしています。
- さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場で、働いているので、心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを実践しています。
- 同じ悩みでもお子さんやご家族のスタイルに合わせた対応をしています。
- お子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています。
次の活動に切り替えにくい3つの原因
- やめたくないから
- 見通しが持てなくて不安
- マルチタスクが苦手
苦手なことに取り組むのはもちろんやりたがりませんが、それ以外の原因には以下のようなことが考えられます。
①やめたくないから
⇒あるあるですね。いったんのめりこんだ遊びや気に入った活動があると、お子さんはそこから別の事に関心を移すのが難しくなります。
特に年齢が幼い場合、まだ自分で切り替えるのは難しいことが多いです。
②見通しが持てないで不安
次の活動やお出かけした先でどんな事をするのか、何があるのか分からないと見通しが持てない事で不安を感じ、活動を切り替えるのをためらって、同じ事を続けようとするお子さんもいます。
やる事は分かっているんだけど、難しくて自分ができるという見通しが持てず不安で切り替えられない子も沢山います。
例①:お出かけするよ!
→どこにいくのか分からないから、不安で家にいようとする。準備に時間がかかる。
例②:いつまでも食事を続けて、着替えをしない
→着替えが自分一人ではまだ難しく、できないかもしれない、一人でやるとなるとどうすればいいのか見通しがもてず不安で行動を切り替えられない
③マルチタスクが苦手
一つの事をやりながら、同時にもう一つの事を行うのは実は難しかったりします。
切り替わりやすい効果的な2つ関わり
1:次にやる事を伝える(見せる)
ポイントと具体例を以下にまとめました。
- 具体的に次にする事伝えると取り組みやすいです。
⇒例: もう終わりだよ、早くして→オモチャ箱に入れて、走って
- 実際に使う具体物を見せてあげても良いでしょう。
⇒例: 歯ブラシを見せる、お洋服を見せる
- その活動の楽しみや終わったらどんな楽しみがあるか伝える
⇒例: 歯磨き終わったらテレビ観れるよ、今日はご飯の後に大好きなシュークリームがあるよ
2:難しい・苦手なら部分的でOK・手伝ってあげる
※重要なポイント
- 「難しいなら手伝うよ・一緒にやろう」と言う言葉も見通しになります。
例;歯磨き一緒にやろう、お着替えママお手伝いするよ
- 苦手な事は最後の仕上げだけ本人がやってみる
例;食事や歯磨き、お着替え等が苦手な場合、8割―9割手伝ってあげて、最後本人がやるようにする。
→やってもらえるという見通しが分かれば、「それなら」と活動を切り替えられることがあります。
※保育園や小学校で苦手な活動があった際:
部分的な参加だけでもOKという見通しが持てると、切り替えやすくなることがあります。
例:体操の練習は見学でもOK!みんなと一緒にいるだけでも意義はあります。
注意したい3つの関わり
1:無理やり切り替えさせる
→当然ですが、強制的に終わりにすると、泣いてしまってかえって気持ちの切り替えに時間がかかってしまいます。
そればかりか、活動を切り替える時のイメージも悪くなるので、ますます切り替えに時間がかかることもあります。
2:「わがまま」と決めつける
→次の活動に移れないのは、好きなことにハマっていて気がつかなかったり、見通しが持てずに不安だったり、マルチタスクが苦手だったりする事も理解してあげて下さい。
3:言葉だけで「終わり」「早く」等と繰り返す
→具体的に何をしたらいいのか分からないお子さんもいますし、集中していて、耳に届いていない場合もあります。
伝わりにくい場合は、そばまで行って、肩をトントンと叩く、具体物を見せる等、注意を向けてあげてから何をするのか伝えてあげると取り組みやすくなります。
習慣にしていく予防的な2つ関わり
1:予告と見通し
→切り替えにくい際は、次の活動に移る時に、終わりを予告をしてあげましょう。
急な終わりは心の準備ができずに動揺しやすいからです。
ポイントは、少し前に予告することで、切り替えのきっかけを与えます。
※さまざまな予告のパターン
- 回数で区切りをつける
- 時間を知らせる
- カウントダウンで知らせる
- 時計で知らせる
- タイマーやベル等の音で知らせる
前もって伝えてあげると、心の余裕ができるので、切り替えやすいです。どんな予告がお子さんに合うのか、色々試してみて下さい。
2:生活パターンを決める
→活動をなかなか切り上げられないのは、今何をすればいいのか分かっていない場合もあります。あらかじめ予定を確認できると、自分で何度も確認できるので、安心感にもつながります。
スケジュールを決めてしまう。
→朝の支度や、寝る前の準備等、活動の流れをお子さんに伝えておくことも有効です。言葉で言うだけでなく、紙に書いてあげてもいいですし、お子さんやご家庭の生活スタイルにあわせて使い分けてみて下さい。
我が家では「いらすとや」で流れを書いていました。
慣れるまではトークンエコノミー法が使えます
自分で活動を切り替えて行動できるようになるまでは、トークンエコノミー法が使えます。
一定数頑張れば、ご褒美がもらえる方法でお子さんのやる気につながりまし、意識して切り替えができるようになります。
習慣になってしまえば、ご褒美がなくても切り替えもスムーズになりますよ。
予定が分かりやすいというのは、お子さんが毎日の生活を安心して過ごすためにとても大切な事なんです。
まとめ
いかがでしたでしょうか、今回の記事のまとめです。
・活動の切り替えが切り替わりにくい3つの原因
- やめたくないから
- 見通しが持てなくて不安
- マルチタスクが苦手
・切り替わりやすい効果的な2つの関わり
- 次にやりたい事を具体的に伝える(見せる)
- 難しいことは部分的で、手伝ってあげてOK
・注意したい3つの関わり
- 無理やり切り替えさせる
- わがままと決めつける
- 言葉だけで「もう終わり」「早く」等と繰り返す
・習慣にしていく予防的な2つ関わり
- 予告と見通し
- 生活パターンを決める
お子さんがどうしてもどうしても、次の活動をしたくないという時は、もしも、状況的にOKであれば、許せる部分は許してあげる気持ちも大切です。
強制的な終了はお子さんの気持ちが不安定になり、ますます、切り替えに時間がかかるようになるからです。
不安で切り上げられない場合もあります。
伸び伸びとした気持ちで取り組めるよう、難しいことは思い切って手伝ってあげましょう。その方が何回も言うより楽ちんです。
「こんな事まだ手伝わないといけないの!?」と思うかもしれませんが、必ず、いつかは自分でできるようになります。
このぐらい自分でできていてほしいという気持ちも分かりますが、今だけだと割り切って手伝ってしまうと、イライラせずに済むことも多いです。
事前の予告やスケジュールで見通しが持てて安心できたり、夢中になっていても、予告的に終わりが分かることで、切り替える準備をお子さんはできるようなって行きますので、是非試してみて下さい。
もし、今回の記事が役に立つと少しでも思えたらシェアをよろしくお願いします。困っているお知り合いのお父さん・お母さんがいらしたら教えてあげて下さい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。