お子さんにとっての言葉とは、何のために使うものかご存知でしょうか。
「言葉なんてただ単にしゃべれればいいや」と思いがちかもしれません。
ですが、実はお子さんにとっての「言葉」には、言葉でしゃべる以上に大切な発達に欠かせない機能があるのです。
そこで、今回の記事では、お子さん発達にとって大切な言葉の「5つの機能」について解説します。
- 「お子さんのどういう所を伸ばしてあげればいいんだろう」
- 「会話はできないけど、言葉はしゃべれるし、どういう事?」
- 「こっちの聞きたい事は言わないのに、自分の好きな事ばかり話すのはなぜ?」
お子さんの言葉の発達で気になるお父さん・お母さんは、
この機能を知っていると、お子さんの言葉の発達でどの機能が成長しているのか気づけるようになると思います。
最後まで読んでいただくことで、
日ごろのお子さんの言動から、
「今こういう力が身についてきているんだなぁ」と、
お子さんの成長や発達に気づけるようになるとともに、
ご自分のお子さんの個性に合わせた具体的な言葉かけや関わりが分かるようになります。
ぜひ役立てていただければと思います。
お父さん・お母さん、先生方の子育ての困り感が少しでも減り、楽しく子育てをしてもらうことを目的にこのブログを続けています。 参考になったと思ったらSNS等で共有してもらえると嬉しいです😊✨
- アサヒです。臨床心理士・公認心理師です
- 子育て中のお父さん・お母さんを心から尊敬しています
- 子育て相談&発達障害支援を現役で10年以上続けています
- 年間約1500件以上の子育て支援・相談をしています
- 教師・保育士・小児の作業療法士がいる子育て支援一家で生活してます
- 私自身、自閉&ADHDの2人の子どもを毎日子育てしています
- さまざまな専門家(小児科医・児童精神科医・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等)がいる職場で、現役で働いているので、心理学に基づいた専門的なアプローチだけでなく、常に目の前のお子さんに合わせた多様な関り・アプローチを提案できます。
- お子さんにぴったり合った子育てをみつけてもらいたくて発信しています
子どもの言葉が発達する5つの機能
いきなり結論からですが、子どもにとっての「言葉」には5つの機能があります。
言葉の機能① まわりの人とのコミュニケーションをとる:
これは、お子さんが自分の知っていることやお願いしたいこと、
気持ちや考えていることを言葉を通じてまわりの人とやりとりし、
子どもは社会性を養っていきます。
言葉を介して、コミュニケーションをすることで、自分のことだけでなく、
相手の反応に合わせていくことや、
まわりの人の気持ちを理解していく力も身についていけるのです。
言葉の機能② ものごとを考える:
言葉を使うことで、
さまざまなものごとを知ったり、考えたりすることができるようになります。
またそのように言葉からものごとを考えていけるようになることは、
- 「どうすればいいんだろう?」、
- 「こういうふうにしてみるのはどうだろう?」等
問題解決のための方法を考える力を育てることにもつながります。
例:自分の遊びたいおもちゃを友達が遊んでいる場面で、そういう時は、「終わったら貸して」と言ってみるといいかもと考えられるようになる。
言葉の機能③ 行動をコントロールする:
まわりの人の言葉を通じて、
日常生活での毎日やることや、
ほめられること・怒られることが分かるようになってきます。
毎日毎日お父さん・お母さんに言われなくても、
- 「それはダメだったな」
- 「お風呂の後は歯磨きだ」など
自分で自分の行動をコントロールできるようになります。
例:他のお友だちがお気に入りのオモチャで遊んでいる!全然遊べない!でもいつも無理やりうばうと喧嘩になるし、大人にも怒られる。
お父さん・お母さんに「貸して」といえばいいって言われたな。
言葉の機能④ 自分で自分のことを表現する(自己表現):
自分の気持ちやお願い、自分ができるようになったこと、性格や個性等、
言葉を使う事で周りの人に知ってもらえるようになります。
例:あの子はいつも「この犬のぬいぐるみが好き!」って言っているな。
じゃあ今日は貸してあげようか。
このように、周りからも分かってもらえる機会が増えるようにもなります。
言葉の機能⑤ 「私ってこういう人」というアイデンティティを育てる(自我の確立):
アイデンティティは、難しい言葉ですが、
- 「私って優しいよね」
- 「僕って体を動かすのが得意だあ」
- 「私って我慢強いじゃん」等、
周囲の言葉かけが、自分自身ってこうだよね、こんなことが好きだよねと、
自分らしく生きていけるよう、「お子さん」の心の成長をうながしてくれます。
お子さんは言葉で成長していく
以上のような機能が、お子さんの「言葉」にはあります。
ですので、お子さんにとっての言葉は、先にも述べましたようにただ単にしゃべれるようになるというだけではなく、
- まわりの人との関わりや考えを深める、
- 「私って優しい」等のアイデンティティを育てる、
- 相手の気持ちの理解等々
発達をしていく上での基礎・基盤を作っていく時期として、とても重要な機能があるんです。
そしてそのような基礎をもとに、
言葉で自分の考えや気持ちを伝えたり、
言葉を理解したりすることで、
お友だちやお父さん・お母さんの気持ちや考えに気づいたり、
自分とまわりの人との気持ちや考えの「違い」にも気づけるようになり、
周囲と協力して社会生活を送れるようになる力を身につけていくのです。
お子さんにはポジティブな言葉かけを
お父さん・お母さんからの
- 「〇〇ちゃん優しいね」
- 「〇〇君いつも面白いね」
- 「〇〇さん、明るく元気だね」
等の言葉かけや、
- 「三輪車転ばないで上手に乗れるんだね」
- 「絵本を読むのが本当に好きなんだね」
- 「難しい折り紙できるんだ」等
その子の得意や好きを言葉にしてあげましょう。
このようなお子さんにとって、ポジティブな言葉かけは、
- 「ぼく(わたし)ってこういう良いところがあるなぁ」
- 「ぼく(わたし)って運動できるよな」
と自分の性格や、やりたい事・好きな事に気が付けるようにもなっていけるからです。
個性に合わせた言葉かけを
子どもにとっての言葉には5つの機能があると言いました。
しかし、よく相談に乗っていると以下のような質問をいただきます。
- 「これって同時に発達していくものなんですか?」
- 「5つの機能があるって言ったけど、家の子はコミュニケーションとれないから、その機能がないってことなんですか?」
当然お子さん一人ひとりは個性があります。
ですので、お子さんに役に立っている機能もあれば、そうでない機能があります。
では、どのようにしてそれをまわりの大人が理解していくのか?
そして子どもにあった言葉かけをしていけばいいのか?
お子さんの言動を観察していくのが重要です
それはずばり「観察」です。
まずはお子さんの言動をよく観察してみてください。
- 会話は苦手で何か聞いても全然答えない。
- 車について知るのは得意だし、自分から話しかけてくるな
- 何も言わなくても、お風呂上りには歯磨きして、トイレに行くから、次やることは言葉かけで分かるんだ
- 自分の好きな事ややりたい事は言葉で言いにくいところがあるなあ等
よくよく観察していると、お子さん一人ひとりの個性によって、役に立っている機能が異なることに気づかれると思います。
役に立っていない機能を無理矢理のばさない
観察を通してとてもとてもとてもとても大切な事があります。
それは、役に立っていない機能を無理矢理伸ばさないことです。
- 「多少強引にでもコミュニケーションの練習をさせよう」
- 「保育園や小学校のことを沢山質問してすべて答えさえよう」
- 「自分でやり事を言えるようになるまでなにもさせないぞ!」
- 「好きな事も言えないとダメだ!」
とあまり役に立っていない役割から無理やり伸ばそうとしないでください。
お子さんが自信をなくしてしまうからです。
「自分ってダメな子なんだ」と、悪い自分自身のイメージがついてしまうので、
新しいことや、難しいことにチャレンジする気持ちが育ちにくくなってしまうことがあるんです。
役に立っている機能を伸ばすのが重要です
- 「車について沢山の事を知っているね。お父さん(お母さん)にも教えて」
- 「Hondaの車にはどんな名前の車があったっけ?」
と興味を示してあげたり、
- 「一回言っただけで次になにをすればいいのか分かるなんてすごいね」
- 「すぐにお片付けしてくれて嬉しいよ」
と声かけで行動をコントロールできた事をほめてあげたりして、役に立っている役割を伸ばしてあげることが、重要です。
あまり役に立っていない機能であっても、
- 「車のおもちゃ貸してって一緒にお友だちにいってみない?」
- 「本当は歯磨きした後に大好きな絵本読みたかったんだよね」
と、無理矢理ではなく、寄り添った言葉かけを続けていただくことで、
言葉の発達の基礎が成長していきます。
あまり使われていない機能こそ、お父さん・お母さんが寄り添ってあげることで、機能していくように補われていくのです。
別の記事で、「お子さんの言葉が育つ3つの要素」について解説してありますので、そちらも合わせてお読みください。
まとめ
今回は、子どもにとっての言葉の5つの役割についてと、その役割が果たす機能、個性に合わせた言葉かけについて解説しました。
お子さんにとって、言葉は、まわりの人の気持ちを理解できるようになったり、自分でどうすればいいのか考えたり、行動をコントロールする等、さまざまな発達を促してくれます。
家の子、話し方が他の子と違うなあと思われても、このようにお子さんの言葉を5つの機能としてとらえていくと、じゃあこの機能は役になっているんだと気づけると思います。
まずは、「観察」してあげましょう。
絵本を読んだり、好きなオモチャで遊ぶ中で、お子さんがどんな機能を使えているのかじっくり見てあげ、役に立っている機能から伸ばしていってあげて下さい。
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お子さんの個性に大人が合わせてあげることで、お子さんは自信をもって成長していけます。
よく読まれる記事も紹介しておきますので、そちらも参考にしてみて下さいね🌸
今回の記事が少しでもお困りごとの一助になれたら幸いです🌈
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最後まで読んで下さり、ありがとうございました🍀